WHAT MAKES INDIVIDUALIZED SHIRTS?

5/02/2021

"Our shirts are produced with perfection in mind, but only when the customer wears it, does it become 100%"
「私たちのシャツは常に完璧を目指して作られているが、カスタマーが袖を通す事で、100%のシャツとなる。」
- Jim Heiser
President of Individualized Shirts




こんばんは、カイです。今日のブログはインディビのこと!昨日スタートしたEASY ORDER含め、インディビをインディビたらしめている要素について、ディープにお話しします。熱が入りまくって少々長くなりましたが、ぜひともお付き合いください!まずは歴史からどうぞ…!

HISTORY 
1961年、アメリカのクラフツマンシップが色濃く残っていた時代に、John La Resca (ジョン ラ レスカ)、George Zimmerman (ジョージ ジマーマン)の手によって、 ニューヨーク州・マンハッタンの対岸に位置する静かな港町、ニュージャージー州・パースアンボイで、カスタムメイド専門ファクトリーとして創業しました。

1990年代まで、ボタンダウンシャツの原点であるブルックス ブラザーズのカスタムオーダーシャツ部門を全て請け負っていた経緯があり、現在ではBergdolf GoodmanやSaks Fifth Avenueをはじめとした、高級紳士服専門店や百貨店のカスタムオーダーシャツを手掛けています。 
また、顧客リストの中には歴代大統領(ブッシュ氏に至っては親子2代)、ハリウッドスターやスポーツ選手などのセレブリティが名を連ね、信頼と実績を兼ね備えたファクトリーブランドとして、国内外問わず評価されています。

インディビジュアライズドシャツ社は、アメリカ最高峰のドレスクロージングの作り手で構成される、INDIVIDUALIZED APPAREL GROUP(インディビジュアライズド アパレル グループ)のメンバーです。インディビジュアライズドシャツを中心に、オックスフォードクローズ、ギットマン&カンパニー、ヒッキーフリーマン、コービン、イングリッシュアメリカンカンパニー、ホーランド&シェリーなど、名だたるファクトリーが名を連ねています。 

TECHNIQUE
身体を包み込むようなシャツを作り上げる熟練された縫製技術、1インチ(2.54センチ)に対して平均22ステッチという縫製基準など、様々な技術のコンビネーションにより、最高のシャツが作り上げられています。
さらに、「究極のシャツは一切余分なものを取り除く」という、アメリカン高級シャツテイラーの理念のもと、 大量生産のシャツ製造では普通は行わない製法も多く取り入れています。
そのひとつがヨーク部分の縫製技術。多くの量産シャツは、ヨークのステッチが外側に見えてしまいますが、コンストラクションヨークという外側に縫い目が見えない袋縫いで縫い上げられています。 サイドの縫製(前身頃と後身頃の縫製部分)も、量産シャツでは不可能な高い縫製技術を必要とする、細幅の巻き縫いを基準としています。 
余分を省く、ドレスシャツとしてのディテールに対し、カジュアルなポップオーバースタイルでは量産のシャツ同様の方法で縫製されます。シャツ毎にアプローチを変える、カスタムオーダーファクトリーならではの仕様です。 

また、レディメイド、カスタムメイド問わず、全て同様の製法で縫製されています。つまり、日本国内で販売されているレディメイドのシャツは、カスタムメイドシャツと同様の着心地と言えるでしょう。

FIT 
すべてのパターンがインチ寸法で作られており、イギリス、イタリア、そして日本などのセンチ寸法で作られるシャツとの微妙なニュアンスの違いにより、アメリカらしい表情に仕上がります。






COLLAR
インディビジュアライズドシャツのファンから最も評価されているのが、ボタンダウンカラー。その第一ボタンをはずした時に生まれる襟元の表情です。 ユニバーシティボタンダウンと称されるそのボタンダウンカラーは、台襟の高さ、襟羽根サイズ、ボタンの位置、 そして台襟のシェープ等すべてのディテールが絶妙なバランスの根明一体となり、伝統的なアメリカンシャツを創り上げています。 
もちろん、その他にもラウンドやロングポイント、スプレッドなど30種類を超える襟型からお選びいただけます。


POCKET
ポケットは約11種類の用意があります。 
EASY ORDERではSTANDARD FIT、CLASSIC FIT標準装備のHポケット、Lポケットの他、アメリカンシャツらしいVポケットをラインナップしております。


SLEEVE/CUFF
シャツの隠れた生命線とも言える、剣ボロ。単純な量産品とは一線を画す、カスタムメーカーならではの手間のかかる作りです。
カフスはラウンド型のバレルカフがスタンダード。
幅広のRカフから狭いRLまで、EASY ORDERでは3種類をご用意。


スリーブのオプションも2通り。
アームホール自体が小さく、袖全体が細身のTRIM SLEEVE、


そして従来通り、クラシックなREGULAR SLEEVE。既製品ではSLIM FITのみがTRIM SLEEVEの仕様です。


PLEATS /YOKE
十分な可動域を確保するため、後ろ見頃に深く入るセンターボックスプリーツ。基本的に、ドレスはセンター、ワークウェアやユニフォームはサイド、と使い分けがされています。もちろん、オーダーでは両方が選択可能です。
アメリカンシャツらしく、非常に幅の狭いヨークは縫い目が外に見えないエレガントな縫製。シャツテーラーらしい意匠です。


BUTTONS
高級シャツでは貝ボタンが多く使用されていますが、インディビジュアライズド シャツではデイリーに、3年、5年、それ以上、長く着ていただくことを想定し、強度のある樹脂素材のボタンを使用しています。ドライクリーニングや洗濯で決して割れないことから、本国ではアンブレイカブルボタンと呼ばれているあたり、その信頼の高さが伺えます。



LINING
襟、そしてカフに含まれる芯材。表面に見える生地と生地の間にもう一枚生地をかませることで強度と見栄えを両立させているのですが、これの作りもクラシックな、昔ながらの製法です。
量産品に多く見られる、芯材と襟を熱で接着する「ヒューズ」と呼ばれる技法ですが、縫うのが簡単、かつ手軽に力強い襟とカフが作れる一方、熱で接着された芯は非常に硬い肌当たりで、見た目にも硬さが目立ち、カジュアルユースに向かない仕上がりとなります。

INDIVIDUALIZED SHIRTSでは、創業当時の製法である、「ノンヒューズ」と呼ばれる熱接着を用いらない製法でシャツを作ります。接着材を使わず、糸で芯を襟やカフの中に固定します。一見簡単そうに見えますが、芯材が中でズレないように縫い上げる、確かな技術が必要です。
また、洗い繰り返すことで芯材の柔らかさが増し、より身体にフィットする着心地へと変化していきます。ライニング有りのオプションの中では、厚みのある芯材を使用したREGULAR LINING、薄手で軽やかなLITE LININGの2種からお選びいただけます。既製品は全てLITE LININGで仕上げております。

中の白い布が芯材

一切芯材を使用しない、NO LININGのオプションも選択することができます。縫い手にとってはナビゲーションとも言える芯材を廃し、襟やカフを縫うことは更に卓越した技術が必要です。
襟やカフを支えるものが何も無いため、非常に柔らかく、クタッとした色気のある仕上がりになります。オックスフォードなど厚手の生地と相性の良い技法です。80年代以前のブルックスブラザーズなど、様々なアメリカンシャツで取り入れられていたのも、このライニング無しの製法です。
ライニングはオーダー箇所の中でも、唯一目に見えない部分です。イメージが困難であるとは思いますが、着心地に直結する重要なパーツですので、その他のデザインと同様に、ご自分にフィットしたものをお選びください。


以上にように、様々な要素から成る、INDIVUDUALIZED SHIRTS。アメリカンな要素を追求するも良し、はたまた、独創的なアイディアを落とし込むも良し。どんなシャツを作ろうとも、そのどれもが、アメリカはニュージャージー州、パースアンボイのシャツ工場で、自分のためだけに作られた、たった1つのシャツ。
これこそが”INDIVUDUALIZED=1人ひとりの” シャツです。

悩みに悩み、オーダーを決め、数か月後、形になって手元に届く、自分のためだけのシャツ。着ることで初めて100%となるこの心地良さは、オーダーでしか味わえません。
この度初の試みとなる、既製品のスペックを参考に、オーダー性を高めたEASY ORDER。細部までご自身の思うがままに作れる、TRUNK SHOWとしてのカスタムオーダー。どちらもINDIVIDUALIZED SHIRTSを最大に楽しめる魅力が詰まっています。

アメリカで作られる、自分だけの1着。
至高の贅沢を、是非。

ハヤノ カイ

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