INDIVIDUALIZED SHIRTS V.S. BROOKS BROTHERS

3/25/2021

 こんばんは、カイです。
絶賛開催中のTHE AMERICAN VINTAGE、ヴィンテージラバーにこぞって楽しんで頂けて、同じくヴィンテージラバーとして嬉しい限り!
ヴィンテージイベントってことで、たくさん用意したブルックスブラザーズを初めとしたアメリカ製のヴィンテージボタンダウン。せっかくの機会だし、現行のインディビと比べてみました。



まずは全体像から見ていきましょう。
ブルックスは裾脇が深く抉り込まれた昔ながらのシャツらしい仕様。英語だとここのことをサドルって呼びます。ちなみに今回参考にしてるブルックスのシャツは80年代〜90年代くらいのもの。年代的に7つボタンのシャツですが、フロントボタンの位置はインディに比べてちょっと下がり気味ですね。


対するインディビ、浅いサドルです。15年くらい前にパターンチェンジがあってからずっとこの仕様です。それより前はサドルが深めには取られてましたが、上のブルックスほどではありませんでした。タックアウトでシャツを着る方が増えてきたのが、変化の主な要因です。ギューンと抉れてると裾出すとそれはそれはヘンテコです。


比較。
僕は基本的に裾入れちゃうんであんまりここにこだわりはありませんが、ブルックス的な仕様だと、古い服着てる感があってちょっとテンションが上がるのは事実。


シャツの顔、襟。
ボタンダウンシャツの生みの親であるブルックス、流石の襟。曲線が美しい。
そんでブルックスのオックスフォードシャツに特徴的なのが、ライニング、つまり芯地が一切入らないこと。クタっと倒れる襟がいかにもスポーティ。ボタンダウンがいかにカジュアルな襟か、これだけでも分かります。


続いてインディビの襟、手前味噌ですがブルックスより好きです。グッとアーチを描く襟に色気を感じます。インディビの既製品は全て薄いライニングが入っているので、洗いを繰り返しても綺麗に襟が立ち上がる一方、薄い故に着心地に影響しないのがポイントです。そして面白いところが、実はカスタムオーダーなら芯地無し、つまりブルックスの仕様も作れちゃうんです。恐るべきインディビ。


お次はカフ。
実はブルックスのカフはちょっと短いんです。そんでもってボタンの位置が真ん中よりも身体側にズレてます。これは万年筆を描く際にインクがつかないように、ボタンをつけたままカフをボタンの位置まで折るためのディテールと言われていますが諸説アリ。
インディビの既製品企画はこのカフですが、もちろんこの幅狭カフもカスタムオプションであります。ちなみにそのカフのコード名はBR。そうです、BROOKS BROTHERSです。


そんでもって、ブルックスの剣ボロにはボタンがありません。スポーツシャツだから、ということなのかもしれませんが、ただの工程削減だったんじゃないかなぁと思ってます。インディビはボタン付きますが、これも例に漏れずカスタムなら無くせます。僕はない方が好きです。なんとなく。


細かいピッチの巻伏せ縫い、ここら辺は共通してます。
お互い流石の一言。


ヨークも縫いを見せずにクリーンに。
でも…


なぜかヨークのフロントはブルックスさん糸が見えてます。インディビはここもつるんとクリーン。こっちだけ手を抜いたのか、はたまた当時の職人の気分だったのか、謎は深まります。


最後に襟裏。
ブルックスも素晴らしいシングルニードルテーラリングですが、


インディビは耐久性を考えてさらにもう一周。ここら辺、見た目には影響しませんが、ここまで気を使ってると知ってるのと知らないのとでは安心感が違います。


いやー楽しい。
やはりシャツは奥深いです。
ただ、1つ気をつけるべきなのは、ブルックスブラザーズは紳士用品ブランド、インディビジュアライズドシャツはシャツメーカーである点。ブルックスはいろんな工場に製造を委託して、自分のブランドを強固なものにしてきたので、作りが一定でない場合も多いです。シャツによっては全然製法が違ったりすることもあります。そういった細かい違いを見つけられるのもまたヴィンテージの魅力。数あるヴィンテージから自分の好きな仕様を見つけ出して、現代に蘇らせることができるのもまた、シャツメーカーであるインディビの魅力。
みんなでオタッキーに洋服楽しみましょう!ここに挙げきれなかった違いもたくさんあるので、店頭でぜひ見比べて見てくださいネ

ハヤノ カイ

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