MORE PEACEFULL, LESS COMBAT: M65 FIELD JACKET FROM OLDER BROTHER
11/13/2019ファッションとは映画のワンシーンであるとも言えるほど、僕の中で映画とファッションは切っても切れない関係にあります。
映画に限らず本やドラマ、世の中のありとあらゆる創作物の中に出てくる人々は皆服を着ているし、キャラクターの人格に深みを与える要素でもあります。その中でも特にインパクトのあるものってありますよね。映画タクシードライバーでトラビスを演じたデニーロが着用していたM−65フィールドジャケットは、ベトナム帰還兵ながらも戦争に囚われているトラビスを象徴する素晴らしい衣装でした。
今回カルフォルニアのOLDER BROTHERから遅れて到着したフィールドジャケットもこのM−65をモチーフに彼ららしい“ピースフル”なアレンジが加えられた逸品。ヒーローは遅れてくるとは言うものの、丁度この間何度目かのタクシードライバーを見終わった後に到着するとは何とも絶妙なタイミング。
本家M−65に付くエポレット、襟内蔵フード、ドローコード、アクションプリーツなどミリタリーらしいギミックを全て廃したスッキリしたデザイン。
でもベースはM−65であることはポケットの形と数を見れば明らかです。あと彼らのホームページにも書いてあります。
マチのある大容量のポケット。さらにポケットの内側と袖のアジャスターボタンは全て天然素材であるコロゾの実から加工されたもの。
デザインソースの出自であるミリタリーに敬意を込め、フロントのスコービルアルミジップは60−70年代のデッドストック品。ジッパーレールがオリーブである点や引き手の大きさ、ジップ本体の大きさも含めミリタリーもので間違いなさそう。
特筆すべきは生地が二重である点。ただでさえヘビーな感じのチノ何ですが、ライニングにも全く同じ生地を使っているんです。滑りは正直死ぬほど悪いですが、その分かなり暖かいので下に着込む人なら冬のコートにしてもいいかも。
染めにも驚かされました。
色展開は上のベージュとオリーブの2色なんですが、両方とも天然の植物で染めたオールナチュラル。
ベージュのこっちはアシュワガンダと呼ばれる植物から。日本だと鬼灯の一種です。
Ashwagandha (Beige) |
オリーブはチャガマッシュルームと呼ばれる、木に生えるキノコの一種で染めています。
人工物で染めることが多い中、こうした現代的な衣類を天然染めするとは恐れ入ります。
Chaga Mushroom (Olive) |
染めもさることながら、サイジングも素晴らしいです。
シャツの上にラフに羽織って完成。M−65のようにもともと完成されたデザインを自分らしくアレンジするのは非常に挑戦的だし中々上手くいかないものですが、さすがです。
自然を愛するOLDER BROTHERらしく上手にアレンジされたM−65。ミリタリー好きでもそうでなくとも、何となく良いなと思っていただけること請け合いの良いジャケットです。
実は共生地のパンツも…
こちらはまた今度!
お楽しみに!
ハヤノ カイ
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